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atelier:mitsuba

i love UI/UX, Blend, XAML, Behavior, P5, oF, Web, Tangible Bits and Physical computing. なにかあればお気軽にご連絡ください。atelier@c-mitsuba.com

UXが生まれる過程とUXがUIにもたらす影響について考えてみる。

「コードは思ったとおりには動かない、書いたとおりに動く」とはよく言われますが、
UIの分野では「ユーザは思ったとおりには操作しない、見えたように操作する」と言えるでしょう。
つまりUIは操作前に「なにをどうしたらどうなるか」を見える化で提示していることだと言えます。



一方でUXは、ユーザの体験を元に、「なにをしたときどうあるべきか」といった期待に応えることであり、行動に依存します。
期待→行動→結果が1つのストーリーになって、体系化されたときに初めて、そのストーリーがUXと呼ばれると思っています。
さらに、UXは行動と結果に繋がるものであって、見た目には依存しません。



なにが言いたいかというと、
「UIは提案したいUXを視覚的に表現して、UXがユーザに一般化されれば、UXを表現してきたUIはもっとシンプルになれる」
ということです。



具体的な例を出してみましょう。
Windows 7の画面右下にある小さいボタンにマウスカーソルを合わせると、ウィンドウが透明になりデスクトップが表れます。

クリックすると、デスクトップが表示されます。

Windows 8 Developer Previewでも確認できますね。



この機能はWindows 7から実装されたものです。
右下のボタンの存在に気づければ、とても便利なものです。そしてボタンの存在は視覚的に表されています。
また、画面右下ということも重要な要素の1つです。
マウスを適当に右下に移動させればオンマウスになり、画面全体にクリック時の効果が視覚的に表現されています。



では、新しいWindows 8 Consumer Previewはどうでしょうか。
Windows 8 Consumer Previewではボタンの存在が確認できません。

ただしマウスカーソルを右下に持ってきたり、クリックしたときの挙動は同じで、きちんとデスクトップが表示されます。



どういうことかというと、ユーザがWindows 7の時代にこのボタンと機能を認知し、UX化されたと定義した上で、ボタンの表現を取っ払い、シンプルなUIを実現しています。
実際に、Windows 8 CPでもこの機能を利用していましたが、ボタンがなくなっていることに気付くのはもう少し経った頃でした。



では、Windows 8から利用しだしたユーザ、あるいはWindows 7を利用していてもボタンに気付かなかったユーザはどうフォローすればいいのでしょうか。
答えとしては、やはりオンマウスされやすい位置にあることと、スペースが確保がされていることが上げられます。
たしかにUIがシンプル化され気づきにくくはなっていますが、気付くことが出来れば、また体系的になると期待できます。



実際にWindows 8 CPのデスクトップやMetroでは「画面隅にカーソルを移動する」といった動作に対して、様々な機能が実装されています。
これはユーザーに「マウスを右下に移動させれば、デスクトップが表示される」という具体的な機能から「マウスを画面隅に移動させると、何らかの機能が利用できる」といった、さらにメタなUXを提案しているとも言えます。



図解すると、UI/UXの変更はこのようになります。




では、開発者はどうやってUXを提案していけばよいでしょうか。
だれでもOSを開発できるわけではありません。ここでのポイントは「ソフトウェアの更新頻度」であるでしょう。
OSは一定の期間使われ、基本的にはアップデートされます。
デスクトップ向けソフトウェアはどうでしょうか。自動更新機能が実装されたソフトウェアでなければ、(あっても)なかなか更新は面倒なものです。



そこで、最近「アプリ」と呼ばれる世界があります。
iPhoneAndroid、Windows PhoneやMetro Style Appsがそれらに該当するでしょう。
アプリの更新についてはマーケットが管理してくれるため、ユーザは一括で更新できます。
更新頻度が高くても嫌がられませんし、むしろ活発なアプリとして印象付けられます。
また、マウスではなくフリックやタップなどといった、ジェスチャによる操作が用意されており、自然に利用できます。
Bumpを例にすると、ぶつけるといったジェスチャ=連絡先の交換といったストーリーが、うまくアプリの世界観として成立しています。
それらジェスチャにどういった意味を持たせて、どうUXを提案していくか、そういった世界観をプラットフォームの世界からアプリの世界に誘導できれば、すばらしいUI/UXが生まれると思います。