最近よく聞く”UX”っていうアルファベット2文字。
どうやら、User Experienceの略で、ユーザー体験って訳されるらしい。
http://e-words.jp/w/UX.html では、
ある製品やサービスを利用したり、消費した時に得られる体験の総体。個別の機能や使いやすさのみならず、ユーザが真にやりたいことを楽しく、心地よく実現できるかどうかを重視した概念である。
なんて言われてる。
UX is not UIでは、こんなことを言ってる。
UXっていう言葉を巷で聞くようになって、久しいこの頃。
UXっていう言葉を聞くたびによくわからなくなる。
なんとかっていう会社では、うちはUXがすごいんです!とか、UXに力をいれています!とかよく聞いたりする。
UXをクラウドに置き換えてみる。
なんとかっていう会社では、うちはクラウドがすごいんです!とか、クラウドに力をいれています!
なんかGoogle App EngineとかAWSの初期に聞いたようなよくわからない感じがする。
たぶんクラウドの使い方がわからなかった一昔前と同じような時期がいまのUXなんだと思う。
クラウドは震災があって、重要性が感じられたり、目に見えて便利だったりしたから、もうないと困るし、便利だし、使い方もだいたい分かるよね。
さらに前だと、とりあえずRIAって言っておけばいい感じみたいに、とりあえずUXって言っておけばいい感。
UXってなにそれ聞いたことない、から、UXってよくわかんないけど、とりあえず流行ってるみたい。
バズワードとかマーケティング用語みたいに扱われてる印象。
で、とりあえずUXっていう人たちに、「じゃあどういう事象にどういったことを行ったらどういった体験にかわったのか、デザインプロセスを1つ教えてください。」なんていうと、「ボタンの大きさと色を変えたら、押し間違いが少なくなりました。」とか、ひどい場合は、「デザインは外注してて、それを実装しています。」なんてとこもあるらしい。
さらにさらに、「じゃあ取り組んでるUXってなんですか」っていうと、「ユーザーの体験を幸せに」とか禅問答になる場合もあったりする。
「見た目を変えて、操作ミスがなくなりました」は、そもそもUIがだめだったんじゃないのとも思えるけど、「見た目を変えて、操作ミスがなくなって、ユーザーのストレスが軽減されました。」までいうと、なんとなくユーザー体験っぽい。
「うちはグラフィックデザインに注力して、UXの向上を目指しています。」じゃなくって「うちはグラフィックデザインに認知科学や視線誘導を取り入れて、ユーザーが行動しやすいようにレイアウトして、UXの向上を目指しています。」なんていうとUXっぽい。
UX is not UIにもあるけど、UXってあれこれいっぱいあるし、どれか一部だってUXだし、UIはUXではないけど、UIもUXもだから、正直なんでもUXになりえると思う。
大事なのは自分がなにをもってUXと言っているかっていうこと。
「UXがすごいんです。」なんて「はぁ」としか答えられない。
「こーこーこーで、あれでこーして、こーだから、こういうのをうちではUXって言ってる」っていうと、「なるほどねー。これをもってUXとして定義して、こういう未来をみてるのね。」って言える。
ちなみに蜜葉が考えるUXは、「ユーザーの今までの体験を利用して、インタラクションをデザインして、新しいUIを提案して、浸透させて、さらに体験に置き換えて、また新しいインタラクションをデザインして、ユーザーを育てること。」って定義してる。
人によってはそんなものはUXじゃない、っていうし、それもUXだっていうし、いやいや俺の考えるものがUXだっていうかもしれない。
UXはいろんな要素を含むから、いろんなUXの形があっていいと思うし、人の体験が十人十色のように、UXも十人十色になるはず。
いろいろひっくるめて、いろんな人の考え方を聞きながら定義すればいいと思う。
大事なことは「UXがすごいんです。」じゃなくって、自分の定義したUXをきちんとお話できること。
UXって最近言い出された言葉だけど、自分でUXが定義できたら、たぶんそれは、アプリのフロントエンド開発で一番大事にしてる思想なんじゃないかなぁ。
よくわからないUXが流行ってますが、もしUXを語るなら、自分の思想を一度再定義してみるといいかもしれません。